【Switch】ヴァルシリアアーク【レビュー】
ちまちま遊べるファンタジー学園経営RPG!だが実は経営してる感はほとんどなかった!
正式名称は「ヴァルシリアアーク ヒーロースクール」です。開発会社はインドネシアのAgate。
キャラデザインを含めアートワークはかなり良かったけど、その他の大味さが目立つ作品でもありました。
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公式サイト:https://www.rainyfrog.com/ja/game/valthirian_arc
ジャンル:学園経営RPG
発売日:2020年1月30日
プレイ時間:約15時間
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今日からあなたが学園長です
ゲームをスタートすると、さっそく不安いっぱいのローカライズ文章と共に、舞台の説明が始まります。
先に書いておきますと、ローカライズは決して良くなく、内容を取り違えてしまうこともありました。
しかし、面白翻訳もあるし、そもそもゲームの魅力を損なうほどのものでもないことは先に明記しておきますね。
ま、つまりはこの国の要所である学園の長に唐突に任命されましたって話です。
好きな名前と、エンブレムを組み合わせてゲームスタート!
ロード画面にエンブレムが反映されるのは地味に嬉しいところ。
で、学園の運営は大まかに以下の要素に分けられます。
①設備の拡張・整備
②学生の育成・卒業
③様々な依頼(ミッション)
これらを相互作用させながら、国に迫る脅威の謎を明かし、よりよい方向に導くのが目標です。
簡単に各要素を紹介していきますが、先に伝えておきますと、
ゲームプレイの大半は③です。
ここが評価の分かれ目というか、
経営シミュのようなものを想像してると、ちょっと違和感あると思います。
①学校設備の拡張や整備
「学校経営」と書かなかったのは、運営要素がほとんどないからです。
学園の中に色々な施設を配置できるので、箱庭作りのような側面が無いことも無いのですが、
・置ける量が少ない
・上位職(後述)解放などの目的上必須の物が大半
・建てる・改築する以外に支出が無い
こうした理由から自由度は低いといっていいでしょう。
また、学園には名声というパラメーターがあり、
ミッションをクリアしたり学生を卒業させて増やすことで、学園のランクを上げることができます。
このランクがある程度上がらないと、施設の種類もミッションも全然ないので、ほとんど自由度もあったもんじゃないのです。
つまり、結果的に、建物の建て方は大体同じになっていくということです。
ちなみに建物には定期収入になったり、戦闘時のパラメーターを補助する機能があったりします。
なので施設というより、普通のRPGでいうアクセサリーのようなイメージですね。
②学生の育成・卒業
入学希望者は結構ホイホイ集まってきます。
気に入ったキャラを入学させて育成していきましょう。
何気にモデリングは可愛らしく、良い出来だと思います。
ランダムでついてる名前が面白くて好きです。
ワイスタッチョウィアック・・・。
ちなみに名前は任意で変えられます。
在学出来る人数は施設の「学生寮」の数次第なんですが、
ミッション出撃用のパーティが最大で3つしか組めないので、12人か16人で十分って話になります。
ミッションをこなして経験値を稼いでレベルアップし、上級職にランクを上げるか、
レベル10以上になればいつでも卒業出来るので、
大量の報酬を貰うために卒業させるか、そういうジレンマがあります。
尚、半年に一度は必ず最低でも一人卒業させる必要があります。
とはいえ、前述の学園ランクや施設の兼ね合いで、序盤は全然ジョブも変えられないので、ガンガン卒業させていくことになると思います。
特に序盤はレベルの上限も低く、簡単にMAXになりますし。
また、卒業による報酬はかなり莫大なので、ポンポン卒業させてガッツリ稼いでから運営する方が効率も良いです。たぶんその方が色々楽しめると思います。
最初は彼らを見送るのも感慨がありましたが、
3年目くらいからは野菜のように見えてきました。
とはいえ、やっぱり学生に名前を付けてると、思い入れは大きく変わりますね。
レベルアップで強くする以外にも武器を拾ったり、鍛冶で作ることもできます。
要素としてはめちゃめちゃオマケっぽいレベルなんですが、攻略上は凄く重要です。
というのも学生が卒業しても装備品は残るので、
超強い武器を作っておけばずっと使えるんです。
キャラの入れ替わりが激しいゲームなので、ここはコツですね。
③様々な依頼(ミッション)
学園には色々と依頼が届くので、学生を派遣して解決していきます。これがミッションです。
これをこなすことで、経験値や名声が手に入り、ストーリーが進行します。
ミッションには2種類あり、プレイヤーが直接操作するものと、学生を派遣するだけの「お使い」です。
複数パーティが組めるので、お使いに出しながら、別のパーティを操作して進行することになります。
ミッションは見降ろし3Dアクションになります。
職業ごとに固有のスキルや、戦闘時の優先事項に合わせてパラメーターを変えられるタクティクスモードなど、独特な要素もあります。
しかし、ハッキリいって戦闘はめちゃめちゃ大味です。基本は攻撃連打するのみ。
自分が強けりゃ勝つし、敵が強けりゃ負ける!
わかりやすいぞ!!!
戦術よりパラメーターが重視される上に、
ヒットストップとかも無いので延々殴り合いです。
割とエフェクトも出るので、
混戦になると何もわかりません。
この戦闘を楽しめるかどうかが、ほぼ全てですね。
無心でポチポチして、それなりに派手なエフェクトもあるので、プレイ感は悪くないです。
ただ、ミッションごとに多少内容の相違こそあれど、ほぼほぼ同じなので、もうちょっと緩急は欲しいところでした。
ゲーム紹介のまとめ
ミッションに出まくって、レベルと金を稼ぎ、
育った学生をどんどん出荷(卒業)させて、
強い武器を手に入れてまたミッション!
そうこうしてると話がどうやら進んでる!
こういうゲームです。
経営シミュというよりも、変な話、一本道のRPGをやってるような気分でした。
良くなかったところ
全体的に大味だし、システム上気になることは無数にあります。しかし、これはいけないという一点。
約1時間に1回はエラー落ちしました。
スイッチ版だけかもしれませんが。
仮にどんなに内容が良かったとしても、これだけは看過できないですね。
また、ロードも数が多いですが、一回一回が結構長いので、これもストレス溜まります。
あと、一応公式にはマルチエンドらしく、外交的な内容によって変わるとのことなんですけど、
正直プレイした身からすると、どこで変わるん?って感じでしたね。
良かったところ
ビジュアルは全体的に良かったと思います。
3Dモデルも可愛いし、キャラデザインも良い。
EDでイラストのラフが出てくるんですけど、
凄くクォリティ高いし、掘り下げたら凄く魅力的な世界になると思いました。
また、各要素がコンパクトにまとまってるので、遊びやすいのは確かですね。
学生が育って、強さを実感じて、
学園もレベルが上がっていくという一連の流れは、
やっぱりワクワクしました。
あと、最後に紹介しますが、意外と小ネタがあって、そういう地味なところでも制作者の既存のゲームへのリスペクトを感じてよかったです。
手軽に出来るRPGテイストな作品を捜しているなら、これは結構お勧めできると思います。
オマケ
急に怪しい奴に襲われても語尾が丁寧なガードさん。
急な全知全能設定を押し付けてプレッシャー与えるイブ。
なんか闇を感じる設定。
キャラ絵の少なさを物ともしない反転
英語版はどうしてるんだろう。
謎のスカイリム発言
ゲーム内で一番好みだった商人のシレッカちゃん。
会うたびに記憶がリセットされるのか、別の個体なのか、何回会っても「はじめまして」なのが切ない。
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点数評価:71点