ゲームする期

ゲームに育てられた30代男性が、レビューを中心に書いています。

【Switch】SELF【レビュー】

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言葉・ビジュアル・バグ・様々な壁で理解を阻害する不思議アドベンチャー

「できる範囲で」作った感じがありありと伝わってくる!!!!

 

 

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公式サイト:https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000020872

ジャンル:ほぼビジュアル無いノベル

発売日:2020年1月16日

プレイ時間:約3時間(全エンディング確認)

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これどんなゲーム?

ゲームプレイの流れとしては、

文章を読む→選択肢→ミニゲーム→ストーリー分岐

という、一般的なアドベンチャーゲームの範疇だと思います。

 

特徴的な部分としては、キャラビジュアルや一枚絵など、

普通のADVでは必ずあるものが無い点。想像の余地を多く残しています。

逆に音にはこだわりがあるようで、ゲームを起動すると、

「ヘッドフォン推奨」という文言が出てきますし、一部の背景音などはバイノーラル録音によるリアルな音響を感じられます。

 

また、ゲーム中には時折不思議なインタラクションが発生します。

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これは様々な単語たちを排水溝に流すというもの。

文章以外に出てくるのはこうしたインタラクション、時折場所を場所を表現した絵、

後述のミニゲームのシーンと分岐状況くらいでしょうか。

ゲームプレイのほとんどは文章を見ることになります。

 

ゲーム中には頻繁に選択肢が出てきます。

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これは最序盤の選択肢。下を選び続けると定番の・・・?

 

その後、重要な場面ではミニゲームが挟まります。

その成否によってストーリーが大きく分岐していくことになり、

複数あるエンディングのどれかにたどり着くことになります。

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ミニゲームは、ほんとにミニな感じで、プレイヤーは写真中央の顔を動かして、

周りにあるオブジェクトに触れることができます。

赤いオブジェクトに触れると顔を囲む枠が狭くなり、一番狭くなると終了。

緑のオブジェクトに触れると逆に枠が広がりますが、広がりには限りがあり、

一定時間経過するとクリア。

 

つまり、すぐ終える=赤、最後まで耐える=緑の二択のようなもので、

必ずしも緑が良いという訳でもないようで、難易度も高くありません。

ちょっと凝った選択肢と言ってしまっていいように思います。

 

で、ミニゲーム後にストーリーが分岐した結果が、目のマークでルート表示されます。

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ED後は分岐ポイントから再プレイできるので、

周回してストーリーの全容を知るのが前提の作りになっています。

ストーリーのためのゲーム

つまりこのゲームは、ビジュアルや遊びの要素が多くないので、

ストーリーこそが最も重要なファクターです。ストーリーについて公式の文章を引用します。

父さんが消えた。でも周りの人は、母親でさえも父さんの失踪に無関心でいた。僕は自分で父さんを探しに行った。 父さんを探す途中で僕はギャングに追われ、色々な変わった人と出会い、周りで奇妙なことが起こるようになった。僕は少しずつ父さんの世界に入って、自分の心の奥で閉じこめられた秘密も段々と現れた。

なかなか含みがあって、気になる感じですね。

僕もそうでしたよ、プレイするまではね・・・・。

 

では感想を語ります。(ネタバレ?多少あり)

既に書いた通り、このソフトはいわゆるゲーム的な遊びは多くありません。

しかし、ウォーキングシミュレーターというジャンルを始めとして、

アートもしくはストーリーテリングの手法としてゲームの媒体を選ぶのも、

昨今では珍しいことではありません。このソフトもその一つと言えるし、

それによって評価が落ちることはないです。

 

ただ、肝心のストーリーなんですが、さっきのあらすじでほぼ全てです。

実際僕はプレイした後に頭から?マークが消えなかったので、

一応公式ページを確認して、さっきのあらすじを改めて見たんです。

そして、「あっここまで書いちゃってたのね」と思いました。

 

勿論、本編ではいろんな出来事や出会いがあります。

が、全体的にさっぱりわけがわかりません。その理由は、

ローカライズがひどい

・展開が意味不明

後者に関しては読解力の問題かもしれないですが。

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ローカライズは昨今のインディゲームでありがちな感じですね。
読めない漢字、誤字脱字、理解できない文化差などのオンパレードです。

 

展開については、場所の移動とか登場人物の描写が少なかったりするので、

常に唐突な印象があります。これは主人公の精神状態が反映されてるのかも。

だとしても最初の印象は、「延々と意味不明な文章が続く」というものでしたね。

 

一応複数のエンディングを見ると、大まかな内容は想像がつきます。

こればかりは好みの範疇ですが、個人的には驚きもなかったです。

 

あとわかりやすい欠点として、

・進行が無限ループするバグ?がある。

→特定の選択肢を選ぶと、さっきみたシーンが再開されるという、

RPGツクールでフラグ管理ミスって一度はやっちゃうやつですね。

わずか3時間ほどのプレイ内容でこれは・・・・。

 

・ほぼ全ての選択肢に意味がない

→全部見たわけじゃないんですが、件のミニゲームでの成否以外、

選択肢での分岐はほとんど無いように感じました。

直後の文章が若干変化するだけで、2、3言変わってるかな?程度。

中には、

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こういう思わせぶりな選択肢もあって、僕の進め方では次の文章は全く同じだったと思います。

 

・音のループがおかしい

せっかくバイノーラルによる音響なんですが、明らかにプツっと途切れてまた最初からみたいな、雑なループがあります。これはマジでもったいない。

いいところは・・・

ゲーム内BGMは、個人製作のDTMっぽさこそ強いですが、それを含めて悪くないと思います。こういう作風なので仰々しいより作家性がある感じは合ってますね。

・・・・以上ですね!

まとめ

中国語が読める人の感想が聞いてみたいですね。

ローカライズって大事なんだなと強く思わされました。

全体的には、雰囲気ゲーから雰囲気を取った感じだと思います!!!!

 

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点数評価:20点

 

新ゼロからスタート中国語 文法編

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  • 作者:王 丹
  • 出版社/メーカー: Jリサーチ出版
  • 発売日: 2015/02/26
  • メディア: 単行本