ゲームする期

ゲームに育てられた30代男性が、レビューを中心に書いています。

【DS】サバイバルキッズ-LOST in BLUE-【レビュー】

 

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お手軽だけど案外シビアなサバイバル体験!自分なりの方法で今日を生き延びよう!

2020年にプレイしてもすんなり楽しめる作品で、タッチ操作も感触は良好。

いかんせんDSのゲームなので、テンポや奥深さに不満はあるが、

機会があればぜひ触ってほしい一本でした!

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ジャンル:サバイバルアドベンチャー

発売日:2005年8月25日

レビューまでのプレイ時間:約15時間

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中学生男女が海難事故に遭い、無人島で生き抜くゲーム

と書けば大体の説明が済んでしまう。

主人公は「だいち」くん、ヒロインが「あおい」ちゃん。

偶然にも2人とも中学生で、無人島で奇跡的に出会い協力し合います。

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プレイヤーはだいち君を操作して、無人島内の探索と、

食材や資源収集、さまざまな道具作りを行います。

あおいちゃんはNPCで、料理や内職、家畜からの搾乳などを行います。

 

2人には画像の上画面の通り、維持すべきパラメータが4つあります。

①HP→体全体の部分。1人でも0になるとゲームオーバー。

②体力→力こぶマーク。休憩や睡眠をとらずにいると徐々に減る。

    0になると走れなくなり、HPが減り始める。

③空腹→胃袋マーク。何をしてても徐々に減る。

    0になると休憩しても体力が回復しない。

④水分→何をしてても徐々に減る。0になると食事が出来ない。

 

要は飯と水とって適度に休む!のがサバイバルの絶対条件ってわけです。 

クラフトや料理などの要素を使って効率的に数値を確保していきます。 

 

この記事執筆中の2020年までに、多くの海外の有名タイトルでも、

こうしたサバイバル要素は取り入れられているので、逆に今の方が馴染みやすいかも。

 

じゃあこのゲームの特徴はというと、やっぱりDSのタッチ操作でしょうか。

違和感のないタッチ操作と、妙にサバイバル感強い難しさ

 DSで発売されたソフトでありがちなのが、

「無駄にタッチパネル使わせる操作」。

まぁこのソフトも例外ではなく、頻繁に使います。

 

しかし、要所のタッチ操作については小気味よく、

無駄にやらされてる感は少ないです。

逆に言えば、タッチ操作を含めても特に目新しいところはないかも。

 

 操作はわかりやすいですが、意外と難易度は高め。

例えば「モリ」を作って、水辺で魚を捕まえようとするんですが、

魚の動きがかなり速い!僕の反射神経では10回に1回しか捕まえられませんでした。

そういうシビアさはサバイバル感を持つ上で凄く好印象でした。

 

解法が限定されていないのもGOOD!

このゲームで一番多くの時間を使うのは、食料の確保だと思います。

ぶっちゃけ水分は泉にいけば100%まで回復するし、体力も寝ればよし。

しかし食べ物だけはサボったらすぐ不足気味になってしまうので、

効率よい収集が必要です。

 

その方法が数多くあるというのが、僕がこのゲームで最も気に入っている部分です。

よくあるゲームデザインだと、方法は多く用意されていても、

結局は効率の観点から一つに絞られたり、

ストーリー上必ずやることになったりします。

 

しかしこの作品では、「絶対にこれをやれ」ということはありません。

上記の通りタッチ操作がシビアな分、自分に向いている、

もしくは楽しめる方法を選択すればいいのです。

そして、どの方法でも生き延びるのは(おそらく)可能です。

 

ま、結局のところ効率の良しあしはあるんですけどね。

でも自主的に選択するっていうのが、

無人島で生き抜くというシチュエーションにマッチしてて好印象でした。

 

操作性をはじめ、テンポなど難点は多い

タッチ操作の感触は悪くないものの、 

もう少し細かいところに気を回してデザインして欲しかったとは思います。

簡単に羅列すると、

・足元のアイテムを拾う範囲が狭く、空振りする

・↑に限らずインタラクションは全て空振りやすい

・その度に調べるモーションが挟まりテンポが悪い

・移動もモーションが長いものが多くある

・頻繁に行う料理も待ち時間が長い

・ショートカットが少ない、わかりづらい

 

このようになります。

「調べる」の空振りによって、調味料や釣り餌が見つかるというのは、

むしろよく機転が利いてるとは思うんですが、それでもだるい。

古いゲームとはいえ、無駄にプレイ時間を延ばされている印象になります。

 

特に苛立ったのは料理。一定条件を満たすとあおいちゃんを操作し、

料理を自分で行うことができるんですが、

 

1品作る毎に出る指示が、

「DSのフタを閉めて○秒待とう!」というもの。

DSのスリーブ機能を利用した遊びなのは理解できますが、

その時間はマジで虚無!!!!だってスリープしてるもの!!!!

しかも料理は一度に4品まで作れるし、その必要があります。

僕はそこでプレイを終了しました。

 

また、NPCのあおいちゃんがほとんど働かないのも気になりました。

特定のモノつくりを依頼しない限り、ただ拠点にいるだけ。

近所の素材を拾うこともしません。

 

それどころか、

プレイヤーが遅くまで出掛けていると、食品があっても餓死したりします。

働かない!食わない!休まない!なんなんだそれは!

 

ま、あおいちゃんの作る独特な料理にほっこりして、

許せてしまうんですけどね。

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いちゃいちゃすんな

無人島に男女が二人っきりということで、

どうやら好感度があるらしく、徐々にあおいちゃんの口調が変わっていきます。

ですます調からタメ口になっていくわけです。

かといって特に大きなイベントはなく、ゲームの大半は淡々と進みます。

確認はしていませんが、好感度分岐などもどうやら無いようです。

 

前述の通り、基本的にあおいちゃんは留守を守るのですが、

時折、探索を手伝ってもらうことになります。

あおいちゃんは近視なこともあり、運動能力が低いので、

段差を乗り越えるのもだいち君が手伝います。

・・・手伝うんですけど、

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めちゃめちゃ触れ合うやんこいつ!!

わざわざお姫様抱っこする必要ある??????

 

まぁそれだけなら単なる僻みなんですけど、

これがまた普段よりだいぶモーションが増えるので、

移動のテンポがまた一段と悪い。

どうみても尻とか触ってるやん。

 

あと載せてないですが、川を飛び越える時にも、

ちゃっかり腰に手を回してたりとタッチが細かい。

いや僻みですけど。

 

サバイバル系の宿命

こういう「やりながら学ぶ」タイプのゲームに総じて言えますが、

ゲーム序盤はとても厳しいです。

 

地形も把握してないから無駄に迷い、碌な資源も見つけられず、

空腹だけがつのり、ようやく手に入れたキノコは・・・毒

なんてことが普通にあります。

 

逆に言えば地形とか道具の効果とかを把握してしまうと単なる作業になるので、

理不尽に感じる序盤こそが一番楽しい時期かもしれません。

 

一方で、ゲームとしての奥行があまり無いのも事実です。

拠点から徐々に行動範囲を広げることになるのですが、

道のりのショートカットは少なく、延々と、

同じ道、同じアイテム拾い、同じ食事を繰り返すことになります。

 

能動的にいろんな方法での食料調達を試す楽しみはあるんですが、

序盤が序盤だけに、安定し始めると一辺倒になりがちです。

 

そういう意味では新しい課題を用意するなどで、

プレイの新鮮味を残して欲しかったとは思いました。

 

サックリ遊ぶには高水準の面白さ!

操作性とテンポという問題点はあるものの、

ゲームは高い水準で安定していると思います。

 

ストーリーらしいストーリーもあんまり無いのですが、

エンディングではちょっと声が出る驚きもありました。

 

気軽に始められて、中古価格よりは断然楽しめるソフトだと思いますので、

気になる方はやってみてくださいね!

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点数評価:77点